2017/1/25

消化器外科

ご案内

消化器外科では、消化器疾患に対する外科的治療、特に消化器がんに対する外科治療、および化学療法全般の集学的(さまざまな治療を組み合わせる)治療を担当しています。

スタッフ紹介

部長
小島 宏
(昭和57年卒業)






資格等
日本外科学会専門医
日本消化器外科学会認定医
麻酔科標榜医
緩和ケア研修会修了
患者さんへのことば
消化器がんの手術治療および化学療法、緩和治療などを担当しています。公的病院の使命とし新しい治療法の臨床研究などにも注力しています。
地域医療支援部長
兼医長
松井 隆則
(平成3年卒業)







資格等
日本外科学会専門医、指導医
日本消化器外科学会専門医、指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
緩和ケア研修会修了、緩和ケア指導者研修会修了
患者さんへのことば
消化器がん(主に食道癌、胃癌、大腸癌)の治療を担当させていただいています。患者さんの病状や体力、ご希望に応じてきめ細やかな治療戦略(腹腔鏡補助下手術を含めた手術や、化学療法、緩和ケアなど)を立てて、最適な治療を目指しています。
医長
藤光 康信
(昭和63年卒業)







資格等
日本外科学会専門医
日本消化器外科学会認定医
麻酔科標榜医
緩和ケア研修会修了
患者さんへのことば
大腸癌の外科治療を中心に、患者さんひとりひとりの病状に応じた質の高い医療を提供できるよう努めております。“きずの小さな手術(腹腔鏡下手術)”に関しましても気軽にお尋ねください。
医長
廣田 政志
(平成4年卒業)





資格等
日本外科学会専門医、指導医
日本消化器外科学会専門医、指導医
緩和ケア研修会修了
患者さんへのことば
肝胆膵を中心とした消化器癌治療を専門としています。患者さんごとに最善で安全な手術治療が提供できるよう日々努力しています。
医長
山田 知弘
(平成10年卒業)







資格等
日本外科学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本医師会認定産業医
厚生労働省臨床研修指導医講習会修了
緩和ケア研修会修了
患者さんへのことば
一般および消化管外科(食道、胃、大腸)を担当しております。質の高い手術療法、化学療法(抗がん剤による治療)、緩和ケアをご提供できるよう、努力してまいります。

診療内容

理念

消化器がんに対する標準治療を安全、確実に行うことだけでなく臨床試験に参加することで常により良い治療を行うことを重視しています。
外科治療だけに固執せず、病態に応じて集学的(化学療法、放射線療法、緩和治療などを組み合わせた)治療を行います。
常に合理的な治療を行い、限られた医療資源を有効に使い、経営改善に努力します。

特色

わたしたち消化器外科は、消化器疾患に対する外科治療全般を担当しています。特に消化器がんの治療では、外科治療だけでなく化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療などを積極的に行い少しでも効果が上がるよう努力しています。また、緩和ケアにも取り組んでいます。2008年度の全手術件数は305件で、うち204例が全身麻酔下の手術(胃がん52例、結腸直腸がん67例、肝がん18例、膵がん5例など、)で、72%が、悪性腫瘍に対する手術治療です。それぞれの手術は、現在標準術式と考えられる術式を基本に、患者さんの状態、病気の進行度などに応じて決定しています。最近では、新しい術式として胃がん、大腸がんに対する腹腔鏡下手術(下記参照)も手がけています。切除不能がん、再発がんに対しては、化学療法、放射線治療(当院の放射線科が担当)を取り入れ、現在最も有効と考えられる治療を選択しています。年間160例以上の消化器がんに対する化学療法を施行しており経験が豊富です。さらに患者さんの状態に応じて一番適切な標準治療を提供するのみでなく、現在標準治療と考えられている治療より少しでも治療成績の良い方法を検索するために多施設共同(国立がんセンター、名古屋大学病院、愛知県がんセンター中央病院などと共同)の臨床試験を行っています。この分野で、当科は三河地区においてトップクラスの実績を持っています。患者さんの中には、このような臨床試験による治療に不安を感じられる方もみえますが、臨床試験による治療は、患者さんに不利益にならないよう、当院の倫理委員会の厳格な審査を受けその倫理性、科学的見地など検討され許可された後、初めて行うことができます。さらに、患者さんには充分な説明を行い、自由な自己決定権に基づいた同意を得て治療を行います。もちろん、臨床試験への参加を希望しない患者さんには、現在標準と考えられる治療を行い、なんら不利益を被らないように配慮しています。また当院には、臨床試験に参加していただける患者さんの疑問や不安にお答えするために知識や経験の豊富な看護師や治験事務局(臨床試験をサポートする部署)のCRC職員(患者さんや医療関係者との調整を担う職員)がいます。この様な体制のもと、胃がん、結腸直腸がんに有効と考えられる新薬の臨床試験に参加し当科からは12人の患者さんの同意を得て、治療してきました(2008年度に結腸がんに対する新薬が認可され、日常臨床に使用できるようになりました)。
また、新しい医療用麻薬を5人のがん性疼痛のある患者さんの同意を得て、治療しました。この中には著明な治療効果が得られた患者さんもみえ、その貴重なデータからこの新薬の有効性が証明され、新しい治療薬として、厚生労働省より許可され一般診療に用いることができるようになりました。このように、がんに関する治療にいち早く取り組むことが当科の特色といえます。

腹腔鏡下手術について

良性疾患である胆石症に対して現在、本邦の約8割の施設で取り入れられ良好な結果を得ている腹腔鏡下手術は、従来の開腹手術に比較して、体にかかる負担が少なく(低侵襲)、かつ美容面に優れた手術方法です。このため術後、患者さんのQOL (quality of lifeの略、生活の質)を重視するという現在の医療社会ニーズに合致し、様々な疾患に取り入れられつつあります。わたしたち消化器外科が担当する胃がんや大腸がんの手術においても、これまでのただ切除すればよいというのではなく、術後のQOLも考慮した手術をおこなうことが時代の要請となっています。このため、胃がんや大腸がんの手術治療においても腹腔鏡下手術が導入されつつあり、当院でもこれを積極的に導入しています。腹腔鏡下手術の良いところは、創が小さく痛みが軽微で運動制限が少なく、美容上優れていることや、術後、腸の動きの回復が早く、早期からの食事摂取が可能となり早期退院、早期社会復帰につながることがあげられます。また、術後の癒着による腸閉塞の後遺症が少ないとも報告されています。
しかし、その反面、新しい治療法のため開腹手術とまったく同様に安全に手術をおこない、同じ確率でがんをなおすことができると断定するには現時点で十分なデータがないのが現状です。
現在、様々な観点から腹腔鏡下手術を評価している途中です。胃がんや大腸がんに対する腹腔鏡下手術は、現在までの評価で問題ないと判断できる症例に適応を限らせていただいています(全ての胃がんや大腸がんに適応にはなりません。2014年度までに、胃がん146例、大腸がん152例に行いました。)ので、腹腔鏡下手術をご希望される方は手術担当医にご相談ください。

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