2011/11/10

アペリティフの日

今や日本でも食文化の一つに?


人生を楽しむフランス人にとって、6月は一年の中で欠かせないヴァカンスの始まりの季節。そして木曜日は週末のはじまりの日。その一日を友人や家族とグラスを傾けながら、楽しい会話で過ごしたい。そんな思いと共に2004年、フランス農水省が毎年6月第一木曜日を「アペリティフの日」と提唱して以来始まった世界を巻き込んだ大イベントが今年も開催された。

毎年6月第一木曜日を「アペリティフの日」
毎年6月第一木曜日を「アペリティフの日」

6月2日に世界10カ国、日本では東京をはじめ全国11都市で展開。例年通り六本木ヒルズアリーナに構えられた東京会場には、なんと5,000人を超える来場者が訪れた。アペリティフが食前に楽しまれるようになったのは19世紀末のことで、フランスのラルース社が発行する百科事典「ラルース辞典・家庭版」にアペリティフという言葉がはじめて登場したのは1926年だったという。アペリティフはラテン語の「aperire(開く)」を語源とし、一般的には食前酒と訳される。ただ、単に飲み物だけというよりも、飲み物、アミューズ・ブーシュ、会話の3つが揃って成り立つものと捉えられ、ちょっとしたおつまみと軽いアルコールによって食欲の扉を開き、同時に、人と人とのコミュニケーションの扉も開いてくれるという有意義で豊かな“時間”として定着していった。2011年、このフランスのガストロミーの祭典は8年目を迎え、例年以上の大盛況となった。
 

思い思いにお皿を彩りながら、飲み物を片手に談笑する姿が見られた。
思い思いにお皿を彩りながら、飲み物を片手に談笑する姿が見られた。

フード、ドリンクを含む24のブースと、5つの物販コーナーそれぞれの前には、開場と同時に人だかりができ、めいめいが思い思いにお皿を彩りながら、飲み物を片手に談笑する姿が見られた。フードを提供したのは、フランス農事功労章を受賞した16シェフ。トップシェフ達の競演に、来場者は十二分に舌鼓を打ったに違いない。また東日本大震災を受け、チケット売上代金の一部が義損金とされた他、「日本応援プロジェクト」ブースも設置。福島県の農産物生産者が物産品を直接販売するコーナーも見られた。
 


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