2013/6/10

1日は24時間しかない! 人生を楽しく、前向きに!!

ラ・ロシェル オーナーシェフ 坂井宏行

坂井宏行ムッシュ
坂井宏行ムッシュ

坂井宏行氏のプロフィール
1942年生まれ、鹿児島県出身。17歳でフランス料理の修業を始める。単身オーストラリアに渡って武者修業、国内ホテルや銀座「四季」などの有名レストランでの修業を経験。フランス料理の先駆者的存在だった志度藤雄シェフの指導を受け、1980年南青山の小原会館にフランス料理「ラ・ロシェル」を開店。日本のフランス料理の第一人者として活躍を続け、フランス共和国より「農事功労章シュヴァリエ勲章」を受勲。卓越した技能者に送られる「現代の名工」を受賞する。現在は都内に南青山店、山王店、福岡に1店舗を経営する。フジテレビ『完全なる料理の鉄人』で最強鉄人になる。

今回の東京キャッツクラブは「ラ・ロシェル南青山」で開催。パワフルな坂井宏行ムッシュも一緒にテーブルを囲み、石井義昭シェフによる美しくおいしいフランス料理を一緒に頂きながら、元気が出るお話を伺いました。

仕事は80%の力で楽しんで

坂井:みんな、仕事を楽しんでいますか?フランス料理を目指していると、歴史を知ることも必要だし、美的センスが大事。フランス料理ばかり食べていても、新しいアイデアやヒントは沸かないから、いろんな分野を見ることが大事だと思います。料理人は、自分の感性を磨くこともすごく大事ですよ。美術館に行くのもいいね。自分のスタイルを築こうと思ったらいろんなことを勉強しないと。

プライベートも楽しまないといけない。一歩店から出たら「あの人はどんな仕事をしている人なんだろう?」って思われるくらい切り替えないと。料理はファッションだからね。おしゃれも楽しまないと。

100%全力で仕事できるのはせいぜい3日。80%の力で楽しめばいい。100人のお客さまが来て20人がクレーム付けたら、その人たちは追っかけない。追っかけてしまうと仕事が頭から離れなくなる。そうなったら自分の人生を楽しめない。20%は自分のために使えばいいんだ。120人のスタッフには、逃げたお客は追うな、逃げた女も追うなと言っているよ(笑)。そうすれば、ハッピーに仕事ができるようになるよ。

キャッツ:くよくよすることはないですか?

坂井:ないね。1日は24時間しかない。時間が過ぎればすべて終わってしまう。引きずって明日どうしようかなとほとんど思わない。反省はしないといけないけれど、振り返った先にはなにもない。一昨年、地震がきっかけで23年続いた渋谷の本店を閉めた時も苦渋の決断だった。でも、決めた後は後ろを振り向かなかった。それで次のステップとして山王店を出したんです。オーナーである自分が迷うとスタッフが迷っちゃうんですよ。あとオーナーに一番大事なのは元気であることです。僕は運動を結構していますよ。これから10年先の目標として、一軒家をプロデュースしたいと思っているよ。

キャッツ:大きな壁にぶつかったことはないですか?

坂井:ないよ。壁とは思わない。石橋を叩いて渡るのではなく、飛び越えちゃう。準備はするんだけれど、ビジネスはフタをあけないと分からない。失敗したらどうしようと思うのであればやらない方がいい。やる前から失敗を考えていたら怖くてできないよ。

石井義昭シェフ
石井義昭シェフ
本日頂いた料理
本日頂いた料理
坂井シェフの話に耳を傾ける
坂井シェフの話に耳を傾ける

人との出会いを大切にする

坂井:これまでいろんな人との出会いがありました。キッチンは常にピカピカ、食材の整理整頓についても厳しく教えてくれた志度藤雄シェフとの出会い、日光の金谷ホテルのオーナーの金谷鮮治さんとの出会いが僕の人生を大きく変えていきました。「俺の道楽で作った店なので好きにやってほしい」と六本木の「西洋膳所ジョンカナヤ麻布」で27歳の時にシェフを任せてくれた金谷さん。自分を認めてくれた金谷鮮治さんに出会っていなかったら、今の自分はいません。人生って出会いの連続。料理人は大変な仕事だから目的を持っていないと辛くなってしまうし、仲間との交流が支えになる。料理人である前に社会人として成長しないといけない。一人の人間としてどれだけのブレーンが集まるか。自分一人の力って微々たるものです。

腕に職があるのは素晴らしいこと

坂井:どんな時代が来ても腕に職があることは素晴らしいこと。僕は、親父が3つの時に戦死して、お袋が和裁で生計を立てていた。お袋の口癖で「腕に職を持て」と言われていた。僕が料理人になったのは料理を作ることが好きだったから。53年この仕事をしてきて、料理を介していろんな人とお話できるこの仕事に、誇りと自信を持っている。素晴らしい仕事だと思う。みんなには可能性があるんだから、頑張って続ければ、きっと楽しい人生を送れるに違いないよ。懐を広く持って、頑張ってね!

全員:坂井ムッシュ、ありがとうございました!

参加者の方々

武蔵野調理師専門学校 漆原ひかる
「後ろを振り向かないで前だけを見て、怒られてもめげずにいきたいと思います」

漆原ひかる
漆原ひかる

京王プラザホテル 樹林 和泉良治
「おいしい料理と、ためになる話をありがとうございました。24時間体制で頑張っていきます」

和泉良治
和泉良治

フランス料理 アントレー 峰尾豊
「坂井さんはポジティブですごいと思いました。いろんなことに興味を持って、プライベートも一杯遊んで、何事にも全力で頑張りたいと思います」

峰尾豊
峰尾豊

イタリアンB-RIVER WEST 
片山慎一
「壁を壁と思わない、石橋を叩かずに乗り越えるというお話が印象的でした」

片山慎一
片山慎一

シンフォニー東京湾クルーズ 宴会コールド場 
大久保奈菜

「今日はありがとうございました。上司に料理の写真を撮って来いといわれたので帰って見せたいと思います」



大久保奈菜

大久保奈菜

浅草ビューホテル フランス料理 蒔絵
 鈴木浩太

「今日は参加出来て良かったです。ありがとうございました」

鈴木浩太
鈴木浩太

品川プリンスホテル ハプナ
 佐藤美幸

「坂井シェフのお話を聞いて自分にはなかった視点だったので、すごく勉強になりました」

佐藤美幸
佐藤美幸

調布クレストンホテル 
高木宏尚
「宴会料理しかやっていないので、勉強になりました。モチベーションを保ってこれからも頑張りたいと思います」


高木宏尚


高木宏尚


ロイヤルパークホテル 宴会調理部
 薄井良太

「ずっと宴会料理をやっているので、レストランの料理が勉強になりました」

薄井良太

薄井良太


フランス料理 ルヴェソン・ヴェール本郷 
野田亮輔

「色合いがきれいでハーブの使い方も勉強になりました。僕もポジティブにいきたいと思います」


野田亮輔

野田亮輔


東京ドームホテル スーパーダイニング リラッサ 鈴木寛昌
「今日は貴重な機会をいただいてありがとうございました!」

鈴木寛昌
鈴木寛昌

ラ・ロシェル南青山
東京都港区南青山3-14-23 03-3478-5645
定休日/火曜、第1水曜日(祝日除く)

開店から15年、洗練されたスタッフによる温かみのあるサービス、スタイリッシュで滋味溢れる料理が感性を刺激する。石井義昭シェフが自宅の近くにある小平の畑から新鮮な旬野菜を持参することもある。チャペルが併設されており、レストランならではの思い出に残るウエディングに定評がある。


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