2016/9/9

京王プラザホテル

ロビー
ロビー

45周年を迎えた新宿のビッグホテル。
山手線の外側でのホテル建設が考えられなかった時代、日本初の超高層ホテルとして誕生した。東西南北に開かれた“プラザ(広場)”という視点で宿泊のみならず憩い、コミュニケーションができる場所を目指して。
以来、レディスプラン、受験生プラン、ブライダルフェアなど、数々の日本初を打ち出してきた。そのチャレンジ的気風は、間違いなく受け継がれている。常に先を見据えてきた京王プラザホテル。その未来へ向けた取り組みを、市川博史総料理長に聞く。

市川 博史
市川 博史

取締役総料理長 市川 博史
1974年調理師学校卒業後、京王プラザホテル入社。京王プラザホテル八王子の総料理長を経て、2006年京王プラザホテル副総料理長に就任。2007年総料理長に、2010年取締役総料理長 兼 調理部長に就任。2015年には厚生労働大臣賞を受賞している。

変革の時代を見つめ、ブランドを確立する

国際的シティホテルの先駆けとして、海外からも多くの人びとを受け入れてきた京王プラザホテル。現在100カ国を超える国々からやってくる海外客は、7〜8割を占める。1400以上の客室を備えるため、幅広い客層をもてなし、オールラウンダーとしての対応が望まれる。

市川博史総料理長は「”プラザ”思想をもとに、国内外のさまざまな方に好まれるもの、どなたがいらっしゃっても安心できる食事を心がけています。しっかりとしたフランス料理のコースからコーヒー一杯まで楽しんでいただけるように」と言う。カフェ、バー、ラウンジを含めレストランの数は22にものぼり、コリアンレストランも直営で運営するなど、他のホテルには見られないほど多様性にあふれている。

「メニューの確定には料飲の担当者とともに、前段階のアドバイスから行います。またキッチンも、今の時代に合わせて進化させています。約10年前、総料理長に就任してから調理場改革を始めました。衛生面を重視した新調理システムに、効率性、コストの安定性を考慮しながら先代のレシピを上手く当てはめられるように。安定したソースのベースは効率化の一歩です。それを理解させ、システムを使いこなす知識を根付かせることが重要です」。

オールデイダイニング<樹林>
オールデイダイニング<樹林>
パース クラブラウンジ
パース クラブラウンジ

100年ブランドを見据えて、バトンをつなぐ

文化的活動も特筆すべきだ。有田・伊万里焼との関係は、展示販売から始まり、徐々にふくらんでいった。「料理を盛り付けてこそ、器は活きる。今では現地の食材を使った料理を、有田・伊万里焼の器で提供しています。そうして佐賀県の方々との関係も深まり、食材研修などにもつながっていくのです」。

また最近では、日本文化の本物の発信として能とのコラボレーションも行った。「能と料理をどう共鳴させるか、最初はとても悩みました。しかし、伝統や育まれてきた歴史のお話を伺ったときに、料理に通じるものがあると感じたのです。だから奇を衒わず、和の食材や技法を使って表現しようと思いました。世界の違う方と出会うことは、料理のインスピレーションにも大きな影響をもたらしてくれます」。人的、文化的なつながりのすべてが、将来の糧になる。
 
45周年は通過点に過ぎない。「2021年には50周年を迎えますが、そこからさらに先の50年を見つめて人材育成をしていく必要があります。100周年を迎えるスタッフを育てることのできる人材を、今、育てなければ」。また今後のホテルの在り方についてこう続ける。「ホテルは非日常の場所と捉えられ、うまく使いこなせていない若い世代が増えている。新しい世代を開拓する企画、メニューを打ち出しながら、宿泊だけの場所ではないことを伝えていく必要があると思います」。力強い市川総料理長の言葉とともに、京王プラザホテルはこれからも先を行く。
 

京王プラザホテル
東京都新宿区西新宿2-2-1
TEL:03-3344-0111
URL:www.keioplaza.co.jp

京王プラザホテル
京王プラザホテル

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