2017/04/10

八芳園

八芳園
八芳園

八芳園の設立は65年前。
しかしその庭園は、さらに300年以上の歴史を誇る。
樹齢数百年の樹々や渡り鳥の姿、今も池を満たす湧き水。
自然と調和する美しい日本庭園を持つからこそ、揺るがない姿がある。
他と比較するのではなく、八芳園らしさの追求。
日本ならではの風景、伝統、文化。
日本人ならではの繊細な料理、こやまかなおもてなし。
それら全てを受け継ぎ、磨き、未来を見つめる。
香山浩一料理長に、その思いを聞いた。

1F バンケット「ジュール」
1F バンケット「ジュール」
メインロビー
メインロビー

「今後さらに”健康”が大事なキーワードになっていくと考えています。そのため、有機野菜への取り組みを進めています。良質な野菜を求め、直接農家の方々とお会いし、思いを聞きながら発信しています」。ただ仕入れるのではなく、作り手の思いを汲み取り、伝えていきたいと語る。また「私たちは結婚式を、お客さまにとって生涯のメモリアルだと捉えています。一日で終わるのではなく、つながっていくもの。だからこそ、健康で安心・安全な食が重要なのです」。結婚式のメニューは一組一組全くといっていいほど異なる。「同じメニューは存在しないと言ってもいいと思います」。そして、いつ帰って来られても再現できるように、メニューは大切に保管される。

「メニューはジャンルに関係なく、みんなで一緒に作っていく姿勢でいます。一人のシェフだけが考えるのではなく、バンケットスタッフ、ウエディングプランナー、宴会セールス、花屋さんなど、色々なセクションを巻き込んで作り上げていきます。料理は料理だけでなく、空間も大切ですから」。

多様性をいつでも受け入れる姿勢

「以前はお客さまが店に合わせていた部分が多かったと思いますが、今は違います。アレルギー、宗教、嗜好など、さまざまな要素に対応できる、お客さまにとってストレスフリーな体制を前もって作っておきたい。また、ここまで対応しているということを分かりやすく開示することも重要です。いらっしゃる前からインフォメーションがあれば、気にすることなく、楽しんで食べていただけると思いますから」。
2020年を見据えては「多種多様な国の方が来られると思いますが、日本に来て良かったと思って帰ってもらいたい。それが観光業の使命だと思います。国際結婚も増えているので、そのご家族も対象になります。幸い、世界に一つのメニューを目指して今までやってきましたから、ノウハウを持っています。結婚式のメニューの考え方は、海外客の方々へ転用できます」と言う。

世界中の人びとがやってくるとき、もっと輪を広げて、日本のシェフはこんな料理ができるんだと、文化とともに発信できればという香山料理長。「壁に当たったときこそ、なぜ料理人になろうと思ったかを思い出して欲しい。手に職をつけるのは簡単ではありません。それはどの仕事にも当てはまることです。一歩ずつ進むしかない」。最後に厳しくも温かいメッセージをくれた。

組立て式お茶室「MUJYOAN」
組立て式お茶室「MUJYOAN」
屋外BAR
屋外BAR
中庭
中庭
香山 浩一
香山 浩一

香山 浩一
築地にある料亭「治作」にて15年の修業を積み、その後も和食店にて調理長を歴任。八芳園に入社後は料理長としてチームをまとめる。八芳園が企画・プロデュースするイベント「粋」の料理監修も務めている。
「お客様あっての料理人。料理を通して感動を与えたい」をポリシーに、常に現場の最前線に立ってお客様と接しながら、料理の技を日本、そして世界へと広げている。


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