2009/10/20

Vol.2　
メトロ キャッシュ アンド キャリー ジャパン 株式会社

飲食店に必要な食材やアイテムが一つ屋根の下でそろう
登録制総合卸売センター

　突然足りない食材が出たり、食材を自分の目で選びたい、という時に最適な店がある。ヨーロッパ、アジアを中心に世界29カ国、650店舗以上を展開する登録制総合卸売センター「メトロ キャッシュ アンド キャリー」(以下メトロ)だ。日本では、メトロ キャッシュ アンド キャリー ジャパン（株）が、2002年に1号店の千葉店をオープンし、地域特性に合わせながら出店を進め、関東に売り場面積3000㎡の6店を展開している。直近では、9月17日に千葉県流山市に流山店、10月22日に神奈川県横浜市に横浜いずみ店をオープンした。

一般客は入れないプロだけの仕入れ場

　「キャッシュ アンド キャリー」という店名が表す通り、現金で購入し、購入者自身が持ち帰るのが同店の特徴で、希望すれば有料で配送も行う。食品約1万1000アイテム、ノンフードが約1500アイテムの合計約1万2500点が1店舗に集約されており、まるで築地市場と合羽橋が同居しているような品ぞろえだ。営業時間は朝6時から夜7時までで、元旦以外の1年364日仕入れができる。
　メトロの会員になるためには、飲食店を経営していることを証明する書類が必要になる。具体的には、（１）営業許可証、（２）登録者本人の写真付き身分証明書、（３）代表者の委任状、（４）酒販免許のコピー、（５）法人登記簿のコピーの5点。会員登録費、年会費は無料。入店の際には発行されたカスタマーカードの提示が義務付けられており、一般の人は入れない仕組みになっている。

品質保持のため館内温度は10〜12度をキープ

　店内に入ると、売り場全体が低温で管理されているのを真っ先に体感する。商品の品質保持のために館内の気温は常時10〜12度に設定されており、防寒ジャンパーも貸し出している。青果（10〜12度）、鮮魚（6〜8度）、精肉（0〜2度）、日配品（6〜8度）、ワイン・酒（14度）と商品管理に最適な温度設定になっている。
　メトロの商品特徴は、生鮮三品に強いこと。青果は市場から早朝届き、鮮魚は築地市場から1日2便届く。会員の要望により冷凍マグロを管理するマイナス60度の冷凍設備も完備している。精肉は国産、海外産を部位別に用意し、有料でカットも行う。ワインコーナーにはソムリエが常駐し、無料でワインリストやテーブルテントを制作するサービスも行っている。メトロが自信を持って品質を保証するPB商品も多く、世界規模で展開するメトロならではの充実した商品内容で好評を博している。
　メトロでは、飲食店とスタッフの1対1のコミュニケーションを何より重視している。売り場の各エリアには専門スタッフが常駐し、飲食店の人の質問に応え、対話しながらニーズを取り入れた仕入れを行う。購入履歴はすべてデータ化されており、営業担当のカスタマーコンサルタントが店を訪れ、課題解決のための糸口を一緒に探ってくれる。仕入れにとどまらず、相談に乗ってくれることが特に個人店にとっては心強い。

トレンドや注目食材情報が2週間に1度届く

　飲食店経営者にとって必要なのが今、どんな食材が注目されているか、その食材をどのように活用したらお客さまに喜ばれるか、といった情報だ。しかし、朝から晩まで店で働いているとなかなか旬な情報が入ってこないのも現状だ。
　メトロでは、2週間に1回「メトロメール」という冊子を会員に配送している。内容は、特売情報だけでなく、トレンドや注目食材、調理法なども掲載する。さらに青果・鮮魚・精肉の特売情報を週に2回FAX送信するサービスや当日入荷の特ネタ情報を携帯Eメールで配信するサービス、ウェブサイトでの最新情報配信と会員専用の売り出し情報、食品以外のカタログ取り寄せやリースの相談も行っている。携帯Eメール情報は、登録時に会員が希望した内容のみを配信する仕組みになっており、不要な情報は届かないので過剰な情報量に左右されることもない。
　会計は大きなカートに載せてレジへ移動。現金による会計後発行されるA4サイズの領収書には購入商品名と価格が明記され、そのまま税理関係の書類として利用できる。保冷が必要な商品はドライアイスや発泡スチロールを利用し、大型エレベーターでカートのまま駐車場へ。1人あたりの平均滞店時間は約30分というデータが示す通り、商品の所在が明確で効率良く回れるメトロは、時間を無駄にできない飲食店経営者に最適な仕入れの場と言える。