2011/11/20

コーヒーのプロフェッショナル

鈴木 樹

バリスタ歴わずか5年。昨年ジャパン バリスタ チャンピオンシップ(JBC)優勝に輝き、今年は2連覇を狙う。目指すのは女性初、アジア初のワールド バリスタ チャンピオンシップ(WBC)優勝だ。

バリスタはコーヒーの楽しさの伝道師

バリスタはコーヒーの楽しさの伝道師
バリスタはコーヒーの楽しさの伝道師

ジャパン バリスタ チャンピオンシップは、予選160名の定員から16名が準決勝に進み、そこから6名がファイナリストとして決勝に進む。2009年に初めて出場した時は9位で決勝に残れなかったが、翌年には優勝を飾った。要因を「コーヒーの楽しさを伝えられたからでは」と分析する。審査は、味、接客技術、抽出技術、プレゼンテーションなどを総合して7名のジャッジによって行われる。出場者はエスプレッソ、カプチーノ、オリジナルの3品を作らなければならない。特にオリジナルでは何を伝えたいのか、ということが重要になる。何故その豆を使い、そのコーヒーを作ったのかを説明する必要がある。例を挙げると、昨年のワールドチャンピオンはエルサルバトルの若い男性で、パルパーと呼ばれる皮の部分、花(コーヒーは白い花を咲かせる)、種の周りの実、それぞれをお湯で抽出し、エスプレッソにブレンドした。「一杯のコーヒーでコーヒーの世界全てが分る」と絶賛されたという。ジャッジは非生産国の人達、彼は生産国の人だった。生まれた時から身近にコーヒーに触れてきた彼自身を表す一杯として評価されたのだ。
 

バリスタは、持って来られた豆のポテンシャルを最大限に活かしてカップに注ぐ。
バリスタは、持って来られた豆のポテンシャルを最大限に活かしてカップに注ぐ。

このようにオリジナルは、各人のパーソナリティやメッセージを込めるという意味で「シグニチャー ドリンク」と呼ばれる。彼女の場合、一度目はとにかく使う豆の美味しさを伝えたいと思ったが、初めての挑戦、何がなんだか分からないままに終わってしまった。二度目はコスタリカの「シン リミテス(限界がないという意味)」という農園の豆を使った。入社した頃に扱っていた品種で、フルーティーで美味しいが非常に抽出が難しい。先輩は美味しく入れられるのに自分は上手くできないというコンプレックスを払拭したいと同時に、コーヒーはこんなにわくわくするものなのだと感じさせてくれたこの豆を表現したいと思った。

ラテアート
ラテアート

「コーヒーは楽しいもの」がメッセージだ。緊張はもちろんしたが、「私が一番楽しんでいたかもしれない」と話す。それが優勝に結び付いた。環境にも恵まれている。品質の良いコーヒー豆を扱い、大会で多くのファイナリストを出してきた会社で働くことができているからだ。今年も彼女を含めた3名が準決勝に進む。彼らと切磋琢磨しながら、貪欲にコーヒーの勉強を続けている。
 
将来の夢を「焙煎やバイヤーの業務など、まだまだやりたいことがたくさんあります。今はここで、もっともっと勉強したい」と力強く締めくくった。

有限会社 丸山珈琲

 

小諸店舗 兼 焙煎工場 オフィス
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